〜SAJ〜 Stepfamily Association of Japan

子連れ再婚家族のための支援団体

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3月30日開催 ステップファミリー研究会の報告

 2014年3月30日、明治学院大学社会学部附属研究所にて、ステップファミリー研究会を開催しました。
 今回は大変盛りだくさんの内容でした。研究者の方々の貴重なご報告は、ステップファミリー支援における課題や支援の方向性を教示いただくものであり、今後のSAJの活動について参考はもちろん、私たちスタッフの意欲を更に湧き立たせる刺激となりました。

 参加メンバーは、SAJスタッフは代表緒倉、副代表吉本、運営委員の水谷、伊藤、菊地真理(大阪産業大学)。SAJアドバイザリーボードの野沢慎司先生(明治学院大学)、茨木尚子先生(明治学院大学)。今年度からの事業にご協力いただくことになった小田切紀子先生(東京国際大学)、他大学院生2名(東京大学)の計10名でした。

 研究会の内容は、スペース上の理由から簡単にまとめさせていただきます。

 1つ目は、野沢先生からの「ニュージーランドの離婚・再婚後の家族支援状況」の報告。昨年度の半年間、野沢先生はニュージーランドに滞在され、同国のステップファミリーの社会状況や支援制度などをリサーチ・研究されました。これまでアメリカについて議論することが多かったように思いますが、アメリカ以外の英語圏の国のステップファミリーの状況を伺うことができ、大変興味深い内容でした。SAJにと同国のステップファミリーや離婚に関する資料のお土産もたくさんいただきました。詳しくはまた後日、ホームページにてレポートする予定です。

 2つ目は、野沢先生と菊地さんの共同研究報告。お二人は昨年度、ステップファミリーの継子の立場を経験した若年成年の方を対象とした調査研究をされています。
ステップファミリー経験をした上での継親子関係の捉え方、実親子関係の評価、別居実親の喪失と役割再編などについて調査分析され、日本のステップファミリーにとって何が課題となっているかなど考察を報告いただきました。
 今回の研究論文は、明治学院大学社会学部附属研究所の研究年報にてウェブ公開されております。
リンクから論文のPDFが入手可能です。
http://soc.meijigakuin.ac.jp/fuzoku/?p=3300

 3つ目は大学院生のお二人から、それぞれの研究について報告をいただきました。おひとりは面会交流を体験した子どもの心理過程についての質的研究の報告をいただきました。面会交流の現状の社会的な課題や背景をふまえつつ、面会交流の中での課題、特に子どもの意思反映や選択の際に必要な援助について今後も研究をすすめられて行くとのことでした。もうひと方は、継父について、継子経験者へのインタビュー結果を報告いただきました。実はお二方とも親の離婚・再婚を経験されたお子さんの立場だそうです。当事者であることを活かしながら研究を進めて行きたいとおっしゃっています。いずれの支援や制度においても、当事者の目線やニーズの理解が重要です。ステップファミリー研究先進国アメリカのように、研究者兼当事者という人材が育まれつつあることに、日本の状況の進化を感じとても嬉しく思いました。

 次にSAJの水谷より、ステップファミリーの相談支援の現状というテーマで、電話相談事業における相談件数や人数、性別、立場、相談内容の傾向、今後の課題について報告させていただきました。日常の暮らしに密接した相談になりやすいことから切り分けの難しい問題、多様な慣習にまつわるもの、子どもの発達に絡む相談も多くあることから、今後の体制についても話し合いました。相談事業について今年度は、キリン福祉財団より助成をうけ、ファシリテータおよび相談員研修を行う予定です。

 研究報告の最後となります。小田切先生は離婚後の親子関係についてかねてより精力的なご研究をされてきました。昨年はオレゴン州にて離婚時の親教育プログラムの研究をされ、この研究会の数日前まで、ケンタッキー州にて親教育プログラムのインストラクター研修に参加されていました。今回はそのケンタッキー州での親教育プログラムの特徴など紹介いただきました。ケンタッキー州において夫婦が離婚する際は、夫婦それぞれが親教育プログラムに参加することはもちろん(オレゴンも同じ)、子どもも専用プログラムへの参加が義務づけられているとのこと。(離婚から三ヶ月以内)
 各プログラムは様々なアクティビティが取り入れられ、ビデオ視聴などを含めた参加型の構成。また夫婦間の葛藤が高いケースについては別途parent Achieving with Collaborative Teamというクラスが用意されているようです。
 親と子どものプログラムのおおまかなご紹介となりますが、下記のような構成だそうです。
<親向け>
・ 離婚にまつわる子どもの疑問を理解し対応する
・ 離婚後の親子の関係を強化する
・ 協力して子育てをする関係を作る

<子ども向け>
・ 気持ちを理解し離婚についての誤った考えを変える
・ 離婚にまつわる怒りの気持ちとつきあう
・ 離婚のことにうまく対応するための対処スキル

また、思春期の子どものクラスも別途あるとのこと。
 アメリカでの離婚時の親教育プログラムを実施する場合には、その家庭がステップファミリーであることも多く、ステップファミリーについての知識や対応も求められるというお話もありました。
 お話を伺っていると、離婚時の制度的な対応の違いが、日本とアメリカでありありとしていることにショックもうけますが、同時に、小田切先生らを初めとする研究者や支援者の皆様が、日本でも同じように親への支援や教育の導入をと、尽力いただいているとのお話に敬服いたしました。私たちもステップファミリー支援の拡充によりいっそう努力していかなければとならないと改めて思います。

最後に、私緒倉より、SAJの2014年度・2015年度の事業計画について簡単に報告させていただきました。今年度の事業についてはまた別途、ホームページ上で展開させていただきますので、ぜひ楽しみにお待ちいただければと思います!

長くなりましたが、以上、3月30日開催のステップファミリー研究会開催の報告とさせていただきます。

SAJ代表  緒倉珠巳





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